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有機農業と生きる

Organic farmer01有機農業と音楽をして
生きよう

鳥越 靖基さん(40歳)

【家族構成】 本人・奥様・お子様1人
【作目】有機野菜(人参、コカブ、ピーマン)、有機水稲

家族で有機農業をしながら山都町の生活を楽しんでいます

有機農業と音楽をして生きよう

東京都内でレコーディングスタジオの経営や音楽活動をして暮らしていた時に東日本大震災が起きました。
バンドのメンバー で被災地へ行き、食料の炊き出しと音楽の演奏支援をしていました。その活動の中で、食べ物や食べることの大切さを痛感させられました。
以前から有機農業のイベントに出演させてもらっていたこともあって、自分の中では「農業=有機農業」というのがありました。被災地からの帰りの車内で、バンドのコアメンバーで移住して「有機農業と音楽をして生きよう!」という話になり、インターネットで調べて有機農業が盛んな山都町への移住を決意しました。

科学的な有機農業に可能性を感じた

2011年7月に山都町へ移住し、BLOF理論という科学的な有機農業を実践している会社でアルバイトをしながらBLOF理論を勉強しました。BLOF理論は、簡単に言えば「科学的な分析に基づいて、作物の生理に合せて土づくりをしていく」という理論です。移住して半年後には、耕作放棄地だった畑の土づくりを、勉強したBLOF理論を実践して農業をスタートしました。最初はほうれん草を作りましたがわりとよくできて、栄養価 を調べてもらったのですが、栄養価も高いことが分かりました。「これならやっていける!」とこの科学的な有機農業に可能性を感じました。
また、有機農業は、地域の自然を循環させて作物を作っていく農業です。豊富な山都町の自然由来の資源を使ったことも、作物の栄養価を高めた要因になりました。
最初の5年間は、農業次世代人材投資事業の資金をもらいながら営農をしました。その中で、作物栽培経験と作目を絞ることができて、本格的に自分達の力で営農していく自信がつきました。

自分達で工夫して作っていく

農業以外にも、山都町が主催している食農観光塾で知り合った仲間と、「山都町でしかできないことをしよう」という趣旨で作った「山都でしか」という会社を設立しました(写真・一番下は「山都でしか」のメンバー)。地域の農産物と音楽を繋げたイベントをしたり、自分が作ったお米でクラフトビールを作ったりしています。
山都町は、若い農業者など熱い気持ちを持った仲間が多いです。そんな仲間といろんな事をコラボしていけたらと思っています。「自分達で作物、生活そのもの、地域を工夫して作っていける」そんな生活がとても自分に合っていて気に入っています。
農業や生活の基盤ができてきた今からが、新たなスタートだと思っています。今後も山都町の資源を使った農作物の生産と「山都でしか」などの地域づくりの活動をやっていきたいです。また、楽曲のレコーディングなど、有機野菜を食べながら音楽を聴いたりするようなイベントなどの活動もしたいですね。

Organic farmer02自分が作った野菜で
何か作っていきたい

岸 千恵さん(40歳)

【家族構成】 本人·ご主人
【作目】有機野菜(人参、コカブ、ピーマン)有機水稲

何かしなければならない

私には、東日本大震災は「何かしなければならない、やるしかない」と思わせるような大きな出来事でした。以前から物を買うだけの生活に疑問があり、「生産する立場になりたい」と思っていました。
被災地に炊き出しと音楽の支援に行く中で、「自分の手元 には買ってから持っていくものしかない」「自分の作ったものを持っていきたい」と強く思ったのが、移住をして農業をするきっかけでした。山都町は有機農業が盛んなことがわかり、仲間とBLOF理論という科学的な有機農業を勉強し、就農しました。最初は、引越しと就農準備で資金が必要でしたが、農業次世代人材投資事業の資金を、活用しながら経営を安定 させてきました。

女性農業者が増えてきて嬉しい

最近、周りに女性農業者が増えてきて、賑やかになっている感じがして嬉しいです。フューチャーされてなくても、ずっと頑張っている農家の奥さんや、これまで活躍されていた方を見ると自分は動き方とか、「まだまだだな」と思ったりしますね。
おばあちゃん世代、自分達世代、そして、もう少し下の世代まで続いているのが、なんとなく視界に入って、盛り上がっているような気がして嬉しいです。

鳥越靖基さんと結成しているバンド「Yaski Farm」

自分が作った野菜で何か作っていきたい

山都町に移住をして野菜を作っていることや、バンドのイべント出演などでいろんな人と関わることができました。山都町は、そんな違う業種の人が集まっていろんな楽しいことができる場所になって欲しいです。自分が作っている野菜で、何か料理や加工品など作っていけたらと思っています。
農業の基盤、生活の基盤ができてきたので、「これから何かしたいな」という地点に立てたという感じがしています。
現在、新居を建設計画中で、藁など山都町の資源を使った家を建てたいなとも思っています。
最近、家にだるまストーブを付けました。山都町ならではの、薪を使った火の生活です。体に残る温かさが良くて、とても気に入っています。

Organic farmer03トマトと5ヶ月間とことん
向き合うのが面白いんです

佐藤 友治さん(33歳)

【家族構成】 ご両親・本人・奥様・お子様4人
【作目】夏秋トマト、しいたけ、水稲

実家の農業を継ごうと決意

山都町の清和地域で生まれて、幼少時代を地元で過ごしました。熊本市内の農業高校へ進学し、その後東京の農業大学へ進学しました。当時は、学校の先生になりたかったのですが、長男だったこともあり、「実家を継がなければいけないかな」という思いがずっと心の隅にありました。自分の学生だった頃は、「農業なんてするもんじゃない」という時代でした。しかし、世の中の農業への価値が見直されてきて、農業が収益の上がる仕事になってきたこともあり、22歳でUターンして就農しました。就農して11年目の今年からは、父から経営移譲されて経営主となりました。

山都町No.1のトマト農家

今年も10aあたりの収量では山都町トップの19.9tを収穫することができました。
でも、まだまだ自分の納得できる形では栽培できていないんです。夏は収穫に追われて、細やかなトマトの栽培に手が回らなくなります。十分な管理ができていないからトマトがかわいそうだと思うし、まだ収量は上がると思っています。
こだわりはあるけど、こだわりをもたないようにしています。こだわりを持ちすぎると、視野が狭くなるからです。

佐藤さんのトマトのほ場

トマト栽培の面白いところ、難しいところ、大事にしている事

トマトは、栽培期間が5か月と決まっているので、5か月間とことんトマトと向き合ってできるところが、自分にとっては面白いです。
トマトは頑張れば成果が上がる作物だけど、始める時の初期投資は畑の造成、ハウス、かん水設備などにまとまった資金が必要です。経営が安定するまでが大変ですね。
農業をやる上で一番大事にしていることは根性です。農業は気象条件、天災などに左右される仕事です。不測の事態が起きやすいから、根性が座っていないとできないと思います。

反収25tが目標

今後の目標は10aあたりの収量が25t取れるようになりたいですね。
1段1t取れるので、理論上はできるはずだと思っています。
トマト栽培はとても面白いです。こうやって作っていきたいという理想が、やったことに対して返ってきた時に楽しさを感じます。
期待していた効果が返ってきた時は、本当に嬉しいですね。

農業インターンシップ・
農業体験も可能です

山都町の農業に関心のある方については、1週間〜1ヶ月程度でインターンシップの受け入れを行っています。経験は問いません。将来農業を志すことを前提とした方から、農業を体験したい方まで幅広く受け入れています。詳しい内容は、山の都地域しごとセンターまでお問合せください。

山都地域担い手育成
総合支援協議会

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山の都地域しごとセンター

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